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厚年基金杜撰運用再び

厚年基金の杜撰運用再び 運用3社を一部業務停止

 AIJ投資顧問による年金消失問題で表面化した厚生年金基金のずさんな運用実態が再び明らかになりました。

長野県建設業厚生年金基金(長野市)がAIJ投資顧問とは別に未公開株運用でも損失を出した問題で、金融庁は2012年10月16日、運用を受託していたソシエテジェネラル信託銀行など3社に1~3カ月の一部業務の停止命令を出しました。

 金融庁から処分を受けたのはソシエテのほか、ユナイテッド投信投資顧問とスタッツインベストメントマネジメントです。ソシエテには3カ月間の法人部門の新規信託業務の停止、ユナイテッドには2カ月、スタッツには1カ月、それぞれ新たな投資一任契約の締結停止を命じました。

 証券取引等監視委員会によると、3社は長野県建設業厚年基金の指示で、投資会社「アール・ビー インベストメント・アンド・コンサルティング(RBICO)」(東京)などが作った未公開株ファンドに資金を振り向けました。上場の見込みがないのに上場予定とした未公開株やRBICO社長が経営する別会社に利益をもたらす取引も含まれたといいます。投資の失敗でファンド資産は当初の3分の1以下の22億円まで減りました。

 金融庁は3社が管理者としてRBICOなどの運用体制や投資実態を調べる義務を十分果たしていなかったと判断しました。3社はAIJのように詐欺で年金資産を消失させたわけではないですが、投資のプロとしての監視義務を怠り、厚年基金の暴走に歯止めをかけられなかった責任を重くみました。

 スタッツは「処分を深く受け止めており、当社に不足していた部分について全力で努力する」、ユナイテッドは「信頼回復に努めていく」とコメントしています。

 長野県警も16日、長野県建設業厚年基金の資産をだまし取った詐欺の疑いでRBICOの家宅捜索に踏み切りました。RBICOは届け出業者で、金融庁に処分権限がありません。警察が刑事事件として捜査に動いた格好です。

 改めて浮き彫りになったのは年金基金のガバナンス不全の根深さです。長野県建設業厚年基金はAIJによる運用詐欺で多額の損失を計上しています。元事務長は20億円もの年金資金を横領し、海外逃亡したとして捜査当局が追及しています。RBICOを介した未公開株投資もこの元事務長が主導していました。本来は投資の決定権限を持たない事務長が運用を左右する基金のずさんさは深刻です。

 一方、金融庁は16日、ソシエテジェネラル信託銀行にプライベートバンキング部門でも顧客への説明が不十分だったなどとして一部業務の1カ月間の停止を命じました。

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