平26年厚労省令第14号
雇用保険法施行規則の一部を改正する省令(平成26年厚生労働省令第14号)
★概要を紹介
1 労働移動支援助成金の拡充
次のような改正を行うこととされた。
① 事業規模の縮小等により離職を余儀なくされる労働者等に対し、再就職を実現するための支援を再就職支援会社に委託した場合、委託を行った中小企業事業主に対して費用の一部を助成する「再就職支援奨励金」について、
ア 助成対象企業を中小企業だけでなく大企業にも拡大する
イ 送り出し企業が民間人材ビジネスの訓練等を活用した場合の助成措置を創設する
ウ 支給時期を支援委託時と再就職実現時の2段階にする
エ 支給額を引き上げる
<委託費用に対する助成率の新旧>【 】内は45 歳以上の対象者に係る助成率
改正前 | 改正後 |
・2分の1【3分の2】 | (中小企業事業主) ・3分の2【5分の4】 (中小企業事業主以外) ・2分の1【3分の2】 |
② 受入れ企業の行う訓練への助成措置として「受入れ人材育成支援奨励金」を創設する。
これは、労働者の再就職の促進を目的として、ア再就職援助計画の対象となった労働者等を雇入れる、イ移籍によって受入れる、ウ出向によって受け入れた後に移籍に切り換える、のいずれかにより、その労働者に対して訓練(Off-JT のみ又はOff-JT とOJT)を行った事業主を助成するものである。
<支給額(支給対象者1 人あたり)の概要>
訓練の種類 | 助成対象 | 支給額 |
Off-JT | 賃金助成 | 1時間あたり800円 |
訓練経費助成 | 実費相当額(上限30 万円) | |
OJT | 訓練実施助成 | 1時間あたり700円 |
注.時間数の上限等もある。
2 キャリア形成促進助成金の拡充
次のような改正を行うこととされた。
① 育休中・復職後の能力アップのための訓練や出産・育児等により一定期間離職していた女性等の再就職後の能力アップのための訓練を実施した場合に訓練経費等を助成する「育休中・復職後等能力アップコース」を創設する。
<支給額の概要>
次の額の合計 ア 訓練*経費助成→経費の3分の1(中小企業事業主は2分の1) イ 訓練*中の賃金助成→1時間あたり400円(中小企業事業主は、800円) *座学等〔Off-JT〕に限る。 |
注.それぞれ、一定の上限等がある。
② 成長分野やグローバル人材育成の取組強化に係る拡充(大企業にも新たに助成、グローバル人材育成コースに海外の大学等で実施する訓練について助成対象に追加)を実施する。
③ 傘下の企業に就職した若年労働者を対象とした実践的な訓練や熟練技能者による技能継承のための訓練等を実施する事業主団体等に訓練経費の2分の1(上限あり)を助成する「団体等実施型訓練」を創設する。
3 キャリアアップ助成金の拡充
次のような改正を行うこととされた。
① 正規雇用への転換を実施した事業主に対する助成額及び助成上限人数を引き上げる、有期契約労働者等から短時間正社員への転換を実施した事業主に対する助成額を引き上げる等(平成27年度までの時限措置)。
② 非正規雇用労働者の人材育成の取組を実施した事業主に対する助成額(訓練経費助成の上限)を見直す。
この省令は、平成26年3月1日から施行される