具体的見積方法
国外財産の「見積価額」の合理的な算定方法について、財産の種類ごとに具体的に教えてください。
○ 国外財産調書に記載すべき国外財産(事業所得の基因となる棚卸資産及び不動産所得、事業所得、雑所得又山林所得に係る減価償却資産を除きます。)の「見積価額」については、その年の12月31日における国外財産の現況に応じ、その財産の取得価額や売買実例価額などを基に、合理的な方法により算定する必要があります。
○ 合理的な方法により算定された国外財産の「見積価額」とは、例えば、次のような方法により算定された価額をいいます(通達5-8)。
国外財産の種類 | 見積価額の算定方法 |
土地 | ○ 次のいずれかの方法により算定した価額。 ⑴ 外国又は外国の地方公共団体の定める法令により固定資産税に相当する租税が課される場合には、その年の12月31日が属する年中に課された当該租税の計算の基となる課税標準額。 ⑵ 取得価額を基にその取得後における価額の変動を合理的な方法によって見積もって算出した価額。 (注)具体的には、取得価額に合理的な価格変動率を乗じて、その年の12月31日における見積価額を算定します。この場合の合理的な価格変動率は、その国の統計機関(統計局、統計庁など)が公表する不動産に関する統計指標等を参考にして求めることができます。 なお、統計機関は、様々な統計指標をインターネット上に公開しており(国により掲載情報は異なります。)、日本の総務省統計局のホームページ上に、「外国政府の統計機関」として、様々な国の統計機関のホームページへのリンクが掲載されています。(http://www.stat.go.jp/info/link/5.htm) ⑶ その年の翌年1月1日から国外財産調書の提出期限までにその財産を譲渡した場合における譲渡価額。 |
建物 | ○ 次のいずれかの方法により算定した価額。 ⑴ 外国又は外国の地方公共団体の定める法令により固定資産税に相当する租税が課される場合には、その年の12月31日が属する年中に課された当該租税の計算の基となる課税標準額。 ⑵ 取得価額を基にその取得後における価額の変動を合理的な方法によって見積もって算出した価額。 ⑶ その年の翌年1月1日から国外財産調書の提出期限までにその財産を譲渡した場合における譲渡価額。 ⑷ 業務の用に供する資産以外のものである場合は、取得価額から、その年の12月31日における経過年数に応ずる償却費の額を控除した金額。 (注) 「経過年数に応ずる償却費の額」は、その財産の取得又は建築の時からその年の12月31日までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年として計算します。)の償却費の額の合計額。また、償却方法は、定額法によるものとし、耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令に規定する耐用年数によります。 |
山林 | ○ 次のいずれかの方法により算定した価額。 ⑴ 外国又は外国の地方公共団体の定める法令により固定資産税に相当する租税が課される場合には、その年の12月31日が属する年中に課された当該租税の計算の基となる課税標準額。 ⑵ 取得価額を基にその取得後における価額の変動を合理的な方法によって見積もって算出した価額。 ⑶ その年の翌年1月1日から国外財産調書の提出期限までにその財産を譲渡した場合における譲渡価額。 |
現金 | ○ その年の12月31日における有り高。 |
預貯金 | ○ その年の12月31日における預入高。 |
有価証券(金融商品取引所 等に上場等されている有価証券以外の有価証券) | ○ 次の⑴、⑵又は⑶の方法により算定した価額。 ⑴ その年の12月31日における売買実例価額(同日における売買実例価額がない場合には、同日前の同日に最も近い日におけるその年中の売買実例価額)のうち、適正と認められる売買実例価額。 ⑵ ⑴による価額がない場合には、その年の翌年1月1日から国外財産調書の提出期限までにその財産を譲渡した場合における譲渡価額。 ⑶ ⑴及び⑵による価額がない場合には、取得価額。 |
貸付金 | ○ その年の12月31日における貸付金の元本の額。 |
未収入金 (受取手形を含む。) | ○ その年の12月31日における未収入金の元本の額。 |
書画骨とう及び美術工芸品 | ○ 次の⑴、⑵又は⑶の方法により算定した価額。 ⑴ その年の12月31日における売買実例価額(同日における売買実例価額がない場合には、同日前の同日に最も近い日におけるその年中の売買実例価額)のうち、適正と認められる売買実例価額。 ⑵ ⑴による価額がない場合には、その年の翌年1月1日から国外財産調書の提出期限までにその財産を譲渡した場合における譲渡価額。 ⑶ ⑴及び⑵による価額がない場合には、取得価額。 |
貴金属類 | ○ 次の⑴、⑵又は⑶の方法により算定した価額。 ⑴ その年の12月31日における売買実例価額(同日における売買実例価額がない場合には、同日前の同日に最も近い日におけるその年中の売買実例価額)のうち、適正と認められる売買実例価額。 ⑵ ⑴による価額がない場合には、その年の翌年1月1日から国外財産調書の提出期限までにその財産を譲渡した場合における譲渡価額。 ⑶ ⑴及び⑵による価額がない場合には、取得価額。 |
家庭用動産(現金、書画骨とう、美術工芸品、貴金属を除く。) | ○ 家具、什器備品、自動車、船舶や航空機などの動産で、業務の用に供する資産以外の資産である場合は、取得価額から、その年の12月31日における経過年数に応ずる償却費の額を控除した金額。 (注)「経過年数に応ずる償却費の額」は、その財産の取得又は建築の時からその年の12月31日までの期間(その期間に1年未満の端数があるときは、その端数は1年として計算します。)の償却費の額の合計額。 また、償却方法は、定額法によるものとし、耐用年数は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令に規定する耐用年数によります。 |
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