平26政令第365号
健康保険法施行令等の一部を改正する政令(平成26年政令第365号)
★概要のみ紹介
1 健康保険法施行令の一部改正関係
1 出産育児一時金の額の見直し(健保令第36 条関係)
出産育児一時金及び家族出産育児一時金の支給額は、現行では、「39 万円(産科医療補償制度加算の対象となる出産については3万円を超えない範囲内で保険者が定める金額を加算)」とされているが、出産費用の動向等を勘案して、これを「40万4,000円(産科医療補償制度加算の対象となる出産については3万円を超えない範囲内で保険者が定める金額を加算)」に引き上げることとされた。
〔解説〕この見直しは、産科医療補償制度の掛金が3万円から1万6,000円に引き下げられたことに伴うものであるが、加算後の額は42万円を維持する見込み(改正後の出産育児一時金等の基本額である40万4,000円は、「42万円-1万6,000円」として決定された額)。
改正前 39万(産科医療補償度加算の対象となる出産については42万円)
改正後 40万4,000円(産科医療補償制度加算の対象となる出産については42万円)
2 高額療養費及び高額介護合算療養費の算定基準額〔自己負担限度額〕の見直し(健保令第41 条、第42 条、第43 条及び第43 条の3関係)
70 歳未満の被保険者等に係る高額療養費及び高額介護合算療養費の算定基準額(自己負担限度額)について、現行の3段階の所得区分を5段階に細分化する。
<70 歳未満の者に係る高額療養費の自己負担限度額>
改正前 | 改正後 | ||
所得区分 | 月単位の上限 | 所得区分 | 月単位の上限 |
上位所得者 (標準報酬月額53 万円以上) | 150,000 円+(医療費-500,000 円)×1% <多数回該当:83,400 円> | 標準報酬月額83 万円以上 | 252,600 円+(医療費-842,000 円)×1% <多数回該当:140,100 円> |
標準報酬月額53~83 万円未満 | 167,400 円+(医療費-558,000 円)×1% <多数回該当:93,000 円> | ||
一般所得者 (上位所得者・市町村民税非課税者以外) | 80,100 円+(医療費-267,000 円)×1% <多数回該当:44,400 円> | 標準報酬月額28~53 万円未満 | 80,100 円+(医療費-267,000 円)×1% <多数回該当:44,400 円> |
標準報酬月額28 万円未満 | 57,600 円 <多数回該当:44,400 円> | ||
市町村民税非課税 | 35,400 円 <多数回該当:24,600 円> | 市町村民税非課税 | 据え置き |
<70 歳未満の者に係る高額介護合算療養費の自己負担限度額>
改正前 | 改正後 | ||
所得区分 | 年単位の上限 | 所得区分 | 年単位の上限 |
上位所得者(標準報酬月額53 万円以上) | 126 万円 | 標準報酬月額83 万円以上 | 212 万円 |
標準報酬月額53~83 万円未満 | 141 万円 | ||
一般所得者(上位所得者・市町村民税非課税者以外) | 67 万円 | 標準報酬月額28~53 万円未満 | 67 万円 |
標準報酬月額28 万円未満 | 60 万円 | ||
市町村民税非課税 | 34 万円 | 市町村民税非課税 | 据え置き |
注.70 歳未満の者に係る高額介護合算療養費の自己負担限度額について、上記表の改正後の額は、政令本則に規定された金額である。しかし、次のような経過措置がある(そのため、上記表の改正後の額が適用されるのは、平成27年8月以降の計算期間からとなる)。
経過措置(平成26年政令附則第4条)
70 歳未満の者に係る高額介護合算療養費の自己負担限度額は、平成26年8月~平成27年7月までの計算期間については、次の額とする。
経過措置(平成26年8月~平成27年7月) | |
所得区分 | 年単位の上限 |
標準報酬月額83 万円以上 | 176 万円 |
標準報酬月額53~83 万円未満 | 135 万円 |
標準報酬月額28~53 万円未満 | 67 万円 |
標準報酬月額28 万円未満 | 63 万円 |
市町村民税非課税 | 据え置き |
3 健康保険組合の準備金積立て等に関する特例(健保令附則第5条関係)
健康保険組合が積み立てる法定準備金の基準については、保険給付に要した費用について、当分の間、現行の3か月相当分(12分の3)から2か月相当分(12分の2)とする特例措置を講ずることとされた。また、財政健全化が必要な健康保険組合の指定要件についても、同様の特例措置を講ずることとされた。
2 防衛省の職員の給与等に関する法律施行令等の一部改正関係
防衛省の職員の給与等に関する法律施行令、船員保険法施行令、私立学校教職員共済法施行令、国家公務員共済組合法施行令、国民健康保険法施行令、地方公務員等共済組合法施行令、介護保険法施行令、健康保険法等の一部を改正する法律附則第130条の2第1項の規定によりなおその効力を有するものとされた介護保険法施行令、独立行政法人日本スポーツ振興センター法施行令及び高齢者の医療の確保に関する法律施行令について、1の改正内容に準じた改正を行うこととされた。
その他、所要の規定の整備を行うこととされた。
この政令は、平成27年1月1日から施行される
ただし、13及びこれに準じた改正の規定は、公布の日から施行される