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経営戦略型就業規則とは

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経営戦略型就業規則とは

  • 企業のコンプライアンス(法令遵守)に対する社会的要求が高まりをみせるなか、労働に関するルールを規定する就業規則の役割は大変重要となっています。
  • 就業規則に定めることなく、これまでの社内慣例を根拠にして「うちの会社はこうすることになっている」「いままでもこうしてきた」といったことは通用しません。
  • 就業規則の作成、見直しにあたっては、各種のルールが明瞭であり、また、法律にも適合していることが大切です。
  • そのような前提を踏まえた上で、会社経営の向上に資する就業規則を作り上げていくことが必要です。
  • 経営戦略型就業規則は以上のような考え方に基づいて作られたものです。

経営戦略型就業規則の特徴

困った事例に基づいてご説明いたします。

困った事例1.
パートタイマーの社員から正社員と同じ処遇を求められました。

  • 社員のさまざまな処遇については、個別の労働契約よりも就業規則の規定が優先されます。
  • 就業規則の規定をどのような社員に適用するのか明確でなければ、原則的にすべての社員に適用されてしまいます。
  • 例えば、パートタイマーの社員から、「退職金の支給」や「特別休暇の取得」など、正社員と同じ処遇を求められ、拒否できないことも考えられます。
  • 経営戦略型就業規則では、賃金、休日、退職金など通常正社員とパートタイマーとで処遇が異なるものについては、適用する就業規則をそれぞれに作成し、トラブルを防ぐようにしています。

<経営戦略型就業規則の例>

(適用範囲)
この規則は、株式会社○○○○(以下「会社」という)の正社員に適用する。

(正社員以外の適用)
正社員以外の社員の就業については、この規則は適用せず、別に定める規則による。

(正社員の定義)
この規則の適用を受ける正社員(以下、単に「社員」とする)とは、第10条に定める手続きを経て、会社と期間の定めなく(定年を除く)雇い入れられる労働契約を締結し、会社の業務に従事する者をいう。

 ※別途、「パートタイマー就業規則」を作成する。


困った事例2.
マイホームを新築して間もない社員から転勤を拒否されました。

  • 次のような就業規則ではこうした事例にきちんと対応できません。

(人事異動)
1.会社は、業務上必要がある場合は、社員の就業する場所又は従事する業務の変更を命じることがある。

  • 会社には配転命令権があります。
    経営戦略型就業規則では「正当な理由が無い場合は、拒否できない」と具体的な規程を設け、会社の社員に対する配転命令権を明確にしています。

<経営戦略型就業規則の例>

(異 動)
1.会社は、業務上必要があるときは、社員に異動を命じることがある。
2.前項の場合、社員は正当な理由がなければ、これを拒むことはできない。

困った事例3.
退職する社員から残りの有給休暇をまとめて請求されました。

  • とかく年次有給休暇は取得しきれず、たまりがちになります。
  • 未消化の年次有給休暇を多く抱えた社員が退職することとなり、会社を辞めるまでに年次有給休暇を全部取りたいと言われても、拒否できません。
  • どうしても退職日の前の何日かは出社してもらわなければ困ると思っても、退職までの日数が限られていると、取得の時季を変更することもできません。
  • たとえば次のような規程では毎年の繰り越し分がどんどん蓄積します。

(年次有給休暇)
1.各年次ごとに所定労働日の8割以上出勤した従業員に対しては、次の表のとおり勤続年数に応じた日数の年次有給休暇を与える。
―中略―
6.当該年度に新たに付与した年次有給休暇の全部又は一部を取得しなかった場合には、その残日数は翌年度に繰り越される。

  • 経営戦略型就業規則では日ごろからの年次有給休暇の消化促進を図る仕組みを取り入れています。

<経営戦略型就業規則の例>その1

経営戦略型就業規則では、労働基準法第39条第5項の規定による計画付与の制度を活用し、年次有給休暇の消化を促進します。

また、社員のリフレッシュをはかる効果も期待できます。

(年次有給休暇)
1.6か月以上継続勤務し、全労働日の8割以上勤務した者には継続または分割した年次有給休暇を下表のとおり与える。
―中略―
4.年次有給休暇は、付与された年度の次年度に限り繰り越すことができる。
―中略―
7.第1項の規定にかかわらず、5日を超える分については労働基準法第39条第5項の規定に基づく労使協定により、あらかじめ時季を指定して与えることができる。


<経営戦略型就業規則の例>その2

年次有給休暇を請求するにあたり、当年度発生分と前年度からのいわゆる繰り越し年休と、どちらを先に消化するかについては、法律には定められていません。

経営戦略型就業規則では先に消化する対象を定め、繰り越し日数を削減することとしています。

(年次有給休暇の取得)
―中略―
3.年次有給休暇の消化の順番は、まず今年度の有給休暇日数から消化した後、その残日数が無くなった場合は前年度から繰り越された日数を消化するものとする。

困った事例4.
社員が自己都合退職し業務に支障が生じました。

  • 下記のような就業規則では
    ・業務の正常な引継ぎを担保する定めがない
    ・退職後も引き続き会社の機密を保持するような定めがない
    などの問題があります。

(退 職)
前条に定めるもののほか、従業員が次のいずれかに該当するときは、退職とする。
①退職を願い出て会社から承認されたとき、または退職願を提出して14日を経過したとき
②期間を決めて雇用されている場合、その期間を満了したとき
③第9条に定める休職期間が満了し、なお休職事由が消滅しないとき
④死亡したとき

  • 社員が自己都合退職をする場合、会社にとっては「想定外」の事態です。
  • 「退職日までは従前の業務に就くように」と規定している就業規則では、他の社員への事務引き継ぎ期間の確保や不正の発見が出来ない恐れがあります。
    経営戦略型就業規則では、退職する社員を他業務に転換させることを可能にし、業務リスクを最小限に抑えることを意図したものとなっています。

<経営戦略型就業規則の例>

(退 職)
社員が次の各号のいずれかに該当するに至ったときはその日を退職の日とし、その日の翌日に社員としての身分を失う。
①社員が退職を願い出て会社と協議の上決定した退職日
―中略―
(自己都合退職)
―中略―
2.前項の規定により退職願を提出した者は、退職の日までは会社の指示する業務に服さなければならない。
3.前2項の場合において、社員は退職の日までの間に従前の職務について後任者への引継ぎを完了し、業務に支障をきたさぬよう、専念しなければならない。
4.退職予定者が前項の引き継ぎを怠った場合には、退職金規程の定めに従って退職手当の全部又は一部を支給しないことがある。
5.会社の営業・顧客に関する情報の秘密保持に関する誓約は、雇用関係終了後も継続して適用される。
-以下略-

困った事例5.
試用期間中の解雇が出来ません。

  • 高い報酬で他社から引き抜いた社員の期待値が大きくはずれたため、試用期間中に解雇しようとしましたが、「就業規則に書いてある解雇の事由に該当しない。」と解雇に応じようとしません。
  • この会社の就業規則は次のとおりでした。

(試用期間)
1.新たに採用した者については、採用の日から「○か月間」を試用期間とする。ただし、会社が適当と認めるときは、この期間を短縮し、又は設けないことがある。
2.試用期間中に従業員として不適格と認められた者は、第○条(「解雇」の条文)の定めに従い解雇することがある。
―以下略―

  • 試用期間中の社員の場合、どのような理由で解雇されるのか、明らかにしておくべきでしょう。
    単純に、「第○条の定めに従い」とするのはトラブルのもとになります。
  • 経営戦略型就業規則では、試用期間中の解雇事由を具体的に規定しています。
    この定めがない場合、通常の労働者と同様、解雇や懲戒の事由に該当しないと解雇できないこともあります。
  • また、あらかじめこうした規定を明らかにしておくことで、入社したての社員も襟を正して勤務することでしょう。
    何事もはじめが肝心です。

<経営戦略型就業規則の例>

(試用期間)
―前略―
2.試用期間中または試用期間満了の際、次のいずれかに該当する者については、解雇に関する手続きの規定に従い解雇する。
①正当な理由なく遅刻をしたとき
②正当な理由なく欠勤したとき
③正当な理由なく上司の指示に従わなかったとき
④就業期間中、業務に専念せず、職場を離れたり、私的行為を行ったとき
⑤不適格な言動を用い、又、職場における協調性に欠けると判断されるとき
⑥業務遂行能力・技術が劣ると会社が判断したとき
⑦会社の提出書類、面接時に述べた内容が事実と著しく異なる事が判明したとき又は業務遂行に支障となるおそれのある既往症を隠しそれが発覚したとき
⑧その他、前各号に準ずる程度の事由により引き続き社員として勤務させることが不適当と認められるとき

困った事例6.
日曜日に出社し、代わりに木曜日に休んだ社員から時間外手当を請求されました。

  • 就業規則などに振替休日に関する規定がない場合やあらかじめ代わりの休日を特定することなく休日出勤させた場合は時間外手当の支給が必要となります。
  • 経営戦略型就業規則では、休日出勤に対する振替休日の定めを規定しています。あらかじめ代わりの休日を指定して休日出勤させても時間外手当の支給は不要となります(ただし、週40時間を超えて労働させた分があれば、その時間の時間外手当の支給は必要となります。)。

<経営戦略型就業規則の例>

(休日の振替)
1.業務上必要がある場合は、前条の休日をあらかじめ1週間以内の他の日に振り替えることがある。
2.前項の場合、前日までに振替による休日を指定して社員に通知する。振替後においても1週間1日の休日を確保する。

困った事例7.
私傷病により休職となった社員が職場に復帰しましたが、すぐに、休み始めてしまいました。

  • この会社の就業規則は、次のとおり、回復状態の診断について、客観性が担保できるものとなっていません。

(復職)
1.休職期間中に、休職の事由が消滅したときは、復職させる。
2.前項の場合において、会社は社員に休職事由が消滅したことを証明するために、医師の診断書等の書類の提出を命じることができる。

  • 休職から職場復帰するときに、勤務に耐え得る健康状態であるかどうかの判断のため、医師の診断書が大きな役割を果たします。
  • 社員のかかりつけの医師が書いた診断書では、職場復帰が可能である旨の診断がされていても、本当に病状が回復していないかもしれません。
  • 回復状態の診断については、会社が指定する医師の診断書の提出を求めることにより客観性が担保されます。
    また、職場復帰後はすぐに休職前と同じように働くことは難しい場合もあります。
  • 経営戦略型就業規則では、客観的な判断による職務配置を規定しています。
  • あわせて、社員が休職期間満了時に復職できない場合は、自動的に退職とすること、私傷病や自己都合により休職を命じられた者について、復職後一定期間内に再度同一事由により欠勤したときは、前後の期間を通算することなどについても規定しています。

<経営戦略型就業規則の例>

(復職)
1.休職期間中に、休職の事由が消滅したときは、復職させる。
2.前項の場合において、会社は社員に休職事由が消滅したことを証明できる書類の提出を命じることができる。
3.傷病による休職者が復職する場合に、会社は社員に会社の指定する医師の診断書の提出を求めることができる。
4.復職後は、休職前の職務と異なる職務に配置することがある。
5.休職期間が満了しても休職事由が消滅しない場合は、休職期間の満了をもって退職とする。

(休職期間とその取り扱い)
―前―
4.○条第○項第○号または第○号の休職(私傷病・自己都合による休職)を命じられた者が、休職期間満了前に復職した場合で、復職後1か月を経ないで、再び当該休職事由と同一の事由により欠勤したときは、休職を命ずる。この場合、休職期間は中断せず、前後の期間を通算する。

困った事例8.
「仕事が忙しいから」という理由で定期健康診断を受けていなかった社員が、倒れてしまいました。しかも医師の診断は、「過労」によるものでした。

  • 就業規則に強制力がないからといって健康診断を受診しない社員を放置していると、安全配慮義務違反とされる恐れがあります。
  • 健康診断受診の強制力のない就業規則の例

(健康診断)
1.従業員に対しては、入社の際及び毎年1回深夜業その他特定有害業務に従事する者は6か月ごとに1回、定期に健康診断を行う。
2.前項の健康診断の結果必要と認めるときは、労働時間の短縮、配置転換その他健康保持上必要な措置を命ずることがある。

  • 経営戦略型就業規則では、健康診断受診は拒むことができない業務命令であると規定し、強制力を持たせております。
  • また、健康診断の結果をもとに、社員の健康管理への会社による配慮を規定するとともに、社員自身にも自己管理を促すこととしています。

<経営戦略型就業規則の例>

(健康診断)
1.会社は、社員に対し、入社の際および毎年1回以上定期に健康診断を行う。
2.前項の他、必要のある場合には社員の全員または一部に対して、臨時に健康診断を行うことがある。
3.社員は正当な理由なく前2項の健康診断を拒むことはできない。
4.健康診断の結果、特に必要がある場合は就業を一定の期間禁止し、または職場の配置換えをすることがある。
(健康診断の結果の通知等)
1.会社は、社員に対し健康診断の結果について通知するとともに、社員の健康保持のために必要と認めた場合には、会社が費用を負担して医師による面接指導を受けるよう命じることがある。
2.社員は、通知を受けた健康診断の結果、又は、医師の指導などに基づき、自らの健康保持増進に努めなければならない。

経営戦略型就業規則では、以上の他、次のような事項にも対応しています。
① 業務に関係のないHPの閲覧や私用メールの禁止
② 無断での自家用車通勤の禁止
③ セクシャルハラスメントの禁止


経営戦略型就業規則のご提供

当事務所では顧問契約先様に対し、経営戦略型就業規則のご提供を行なっております。



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