愛媛県松山市の税理士。村上会計事務所(税理士村上孝範事務所運営)は経営革新等支援機関に認定されております。村上会計事務所はTKC全国会会員です。「独立開業・創業」、「資金調達」、「会社経営」 などでお悩みがありましたら、お任せ下さい。

消費税転嫁特措法概要

消費税転嫁対策特別措置法(消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法) の概要

  • 目的
    •  消費税率の引上げに際し、特定事業者による消費税の転嫁拒否等の行為を迅速かつ効果的に是正するための特別措置など、所定の法整備を講ずることにより、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的とする。

  • 概要
    ※本法は平成25年10月1日から施行し、平成29年3月31日限りでその効力を失う。
    • 第1 消費税の転嫁拒否等の行為の是正に関する特別措置
       1.特定事業者の順守事項(特定事業者特定供給事業者に対し、以下の行為を行ってはならない。)
       (1)減額買いたたき
       (2)商品購入、役務提供又は利益提供の要請
       (3)本体価格での交渉の拒否
       (4)報復行為
       2.転嫁拒否等の行為に対する検査、指導等
       (1)報告・検査(公正取引委員会、主務大臣、中小企業庁長官)
        特定事業者等に対して報告徴収、立入検査を行う。

       (2)指導・助言(公正取引委員会、主務大臣、中小企業庁長官)
        特定事業者に対して、違反行為を防止又は是正するために必要な指導・助言を行う。

       (3)措置請求(主務大臣、中小企業庁長官)
        違反行為があると認めるときは、公正取引委員会に対して、適当な措置(勧告・公表)
        をとることを求めることができる。
        ただし、
        ①違反行為が多数に対して行われている場合
        ②違反行為による不利益の程度が重い場合
        ③違反行為を繰り返し行う蓋然性が高い場合
        ④消費税の円滑かつ適正な転嫁を阻害する重大な事実がある場合
        には措置請求を行うものとする。

      ※報復行為については、④に該当する。
        
       (4)勧告・公表(公正取引委員会)
        違反行為があると認めるときは、特定事業者に対して、速やかに消費税の適正な転嫁
        に応じることその他必要な措置をとるよう勧告し、その旨を公表する。

      (注1)主務大臣は、特定事業者又は特定供給事業者の事業を所管する大臣をいう。
      (注2)公正取引委員会、主務大臣及び中小企業庁長官が行う指導内容の例として、以下のようなものがある。
      ①転嫁を拒否した消費税額分を支払うこと
      ②遡及的に消費税率引上げ分を対価に反映させること
      ③転嫁と引き換えに購入させた商品を引き取り、商品の代金を返還すること
      ④役務の利用料又は提供を受けた利益を返還すること
      ⑤消費税を含まない価格で価格交渉を行うこと 

      (注3)特定事業者が公正取引委員会の勧告に従ったときは、独占禁止法による措置はとらない
      (注4)政令により、国土交通大臣の権限に属する事務のうち、建設業等を営む者の一部に関しては都道府県知事が行うこととする

      第2 消費税の転嫁を阻害する表示の是正に関する特別措置
       事業者の順守事項(事業者は消費税の円滑かつ適正な転嫁を阻害する以下の表示を行ってはならない。)
       (1)取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示
       (2)取引の相手方が負担すべき消費税に相当する額の全部又は一部を対価の額から減ずる旨の表示であって消費税との関連を明示しているもの
       (3)消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示であって(2)に掲げる表示に準ずるもの
      ※消費税の転嫁を阻害する表示に対する勧告、指導等については、消費者庁長官等が実施

      [check]禁止されるもの、禁止されないものの具体例

      第3 価格の表示に関する特別措置
       1.消費税率の引上げに際し、消費税の円滑かつ適正な転嫁のため必用があるときは、現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り、税込価格を表示することを要しない(総額表示義務の特例措置)。
      ※税込価格を表示しない事業者は、できるだけ速やかに、税込価格を表示するよう努めなければならない。
       2.事業者が税込価格に併せて、税抜価格を表示する場合において、税込価格が明瞭に表示されているときは、景品表示法第4条1項(不当表示)の規定は適用しない。

      第4 消費税の転嫁及び表示の方法の決定に係る共同行為に関する特別措置
       転嫁及び価格カルテルについて、独占禁止法の適用除外とする(公正取引委員会への届出制)
      ○転嫁カルテル
       転嫁の方法の決定に係る共同行為(例:事業者がそれぞれ自主的に定めている本体価格への消費税額分の上乗せの決定、端数の合理的な範囲での処理の決定)
      ○表示カルテル
       表示の方法の決定の係る共同行為(例:価格について統一的な表示方法を用いる旨の決定)

      国等の責務
       1.国民に対する広報の徹底
       国は、国民に対し、今次の消費税率引上げの趣旨、消費税の性格及び政府の消費税の円滑かつ適正な転嫁に関する取組について、徹底した広報を行うものとする。

       2.通報した者の保護等に関する万全の措置
       国は、本法違反行為に関する情報の収集、当該情報を国等に通報した者の保護等に関し万全の措置を講ずるものとする。

       3.調査、監視を行うための万全な態勢の整備
       国及び都道府県は、国民に対する広報、本法違反行為に関する情報の収集、事業者に対する指導又は助言等を行うための万全の態勢を整備するものとする。

       

powered by HAIK 7.0.5
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. HAIK

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional