労務管理用語集:か行
か行
カウンセリング
従業員の仕事上の不平不満、職場内での人間関係、生活における個人的な悩みについて、相談に応じ、解決への助力を行う制度である。導入の目的は、不平不満の早期処理、環境への適応援助などにより、従業員のモラールの維持・向上を図ろうとするものである。
カフェテリアプラン
カフェテリアで自由に飲み物や食べ物を運ぶように、所定の予算内で、従業員が個々のニーズに合わせて利用可能なさまざまな福利厚生メニューを自由に選択できるというもの。
観察法
実際に従業員が行っている仕事を職務分析員が観察して確かめる方法である。<長所>職務分析員が自らの目で実際の職務活動の真実をとらえることができる。<短所>(1)事務職や管理職といった知的・精神的な労働を主としている職務には適さない。(2)調査に比較的時間がかかる。
寛大化傾向
人事考課において、考課者による被考課者の評価が実際より甘くなる傾向をいう。
管理職定年制 (役職定年制)
一般に定年制延長に伴って旧定年年齢あるいはある一定年齢で管理職ポストを離脱し、その専門的能力をもって専門職などに異動する制度のこと。役職定年制とも呼ばれる。 新陳代謝の促進による組織の活性化、人材の育成、従業員の意識改革などを狙いとしている。
管理職任期制(役職任期制)
部・課長といった管理職に一定の任期を設け、この期間内の業績を厳しく管理し、任期が来たら管理職としての適・不適を審査し、再任、昇進、降職、他のポストへのローテーションなどを行う制度のこと。役職任期制とも呼ばれ、管理職定年制 (役職定年制)と同様に 新陳代謝の促進による組織の活性化、人材の育成、従業員の意識改革などを狙いとしている。
企業内組合
企業ごとに、その企業に所属する労働者で組織する労働組合を企業内組合という。海外では、同種産業に属する労働者で組織する産業別労働組合や同一職種の技能労働者で組織する職種別労働組合が通常であるが、我が国ではこの企業内組合がほとんどであり、このため労使関係の安定が維持されていると言われている。
基本給
給料のうち残業手当、通勤手当、住宅手当などの諸手当を除いたものをいう。
キャリア・カウンセリング
現在の能力・適性についての客観的評価と相談者本人の興味、性格及び将来の希望について、相談者本人が正しく将来の進路目標を決定することを援助し、育成の機会を見つけることをねらいとした企業内の職業相談をいう。
キャリア・パス
ある職位や職務に就任するために必要な一連の業務経験とその順序、配置、異動のルートのことをいう。
求人倍率
求職者数に対する求人数の割合をいう。「新規求人数」を「新規求職申込件数」で除したものを「新規求人倍率」という。また、2ヶ月以内の求人数である「有効求人数」を2ヶ月以内の「有効求職者数」で除したものを「有効求人倍率」という。
勤務延長制
定年年齢到達者をすぐに退職させないで、各人別に健康、能力等に応じ勤務期間を一定期間延長する制度のこと。
苦情処理制度
使用者と労働組合との間において、労働協約や就業規則の解釈・適用に関する紛争や、その他の労働条件に関する労働者の不平、不満について、団体交渉や経営協議会によることなく、日常的に解決を図ることを目的とした制度のこと。
継続雇用制度
60歳台前半層の雇用を確保するため、定年年齢そのものを引き上げる「定年延長」や、定年年齢に達した後一定期間雇用を継続する「勤務延長」、定年年齢に達したものを再び雇用する「再雇用」などがあり、これらを総称して「継続雇用制度」という。
ケース・メソッド
事例研究のことで、ケース・スタディともいう。原理・原則を知識として教え込むのではなく、まず教材として現実に起こった事例を用い、更にそれに基づくグループ討議を加えることによって、単なる知識としてではなく、知恵として身につけようとする訓練技法である。
考課者訓練
考課の公平、信頼性を得るため、評定技術の向上と意思統一を目的として行なわれる考課者に対する訓練をいう。
厚生年金基金(調整年金)
国が実施している厚生年金に代わって給付を行ない、基金ごとに独自の上乗せ給付を行なう企業年金の一つ。厚生年金基金から支給される年金は、通常の厚生年金に該当する「代行部分」と独自の上乗せ給付である「プラスアルファ部分」から成り立っている。「プラスアルファ部分」については、基金が解散した場合、残余財産がなければ受け取ることができない場合もある。
雇用管理
募集、採用、配置、異動、昇進、昇格、休・退職、解雇など、従業員が入社してから退社するまでの一連の管理のことである。
雇用者
就業者のうち、他人に雇われて金銭又は物品の報酬を受けて働いている者をいう。就業者に占める雇用者の割合を雇用者比率という。
雇用調整
日本では、欧米のように業務悪化時にレイオフ(一時解雇)という方法はとらず、次に示すように、軽度のものから重度のものへと雇用を調整している。 (1)残業規制、労働時間の短縮 (2)臨時雇い契約の解除 (3)新規・中途採用、再雇用の中止 (4)配置転換、出向 (5)一時帰休 (6)希望退職者募集、退職勧奨 (7)指名解雇 (1)から(6)の対策を講じても雇用調整が完了しない場合、最終的に指名解雇が行われる。
雇用のミスマッチ
労働市場において需要と供給の質的不適合があること。需要側に求人がありながら供給側に失業者が出ること。
コンピテンシー
高業績者の成果達成の行動特性、できる人の行動パターンである。ハーバート大学の心理学者マクレランド教授によりモデル化された。コンピテンシーが使われる分野は採用、選抜、教育で、高業績を創出する人材と同じ行動特性を持つ人材開発に活用されている。